2008年02月18日
 ■  百貨店での待ち時間
秘書をしている友人の買い物に付き合った。初盆を迎える取引先への供物にお線香を買い求めるのだと言う。

お盆を前に、百貨店の売場は混雑していた。声をかけようにも手の空いた店員さんが一人もいない。盆提灯の前にいる店員さんを呼ぶが、メーカーから派遣されていて、線香売場とは無関係なのだろう。

彼女は申し訳なさそうに軽く頭を下げるだけである。店内の巡回役らしい年配の男性が売場をゆっくりと通り過ぎていったが、何かするわけではない。笑みをたたえた表情は、この混雑に満足しているように見える。

「これを下さい」と声をかけたら、この男性は包装してくれたのだろうか?
ようやく、男性店員が対応してくれた。

包装の間、右隣の呉服売場に眼をやると、待ちの姿勢の女性店員が3名、左側の敷物売場には男性店員がひとり、いずれも手持ち無沙汰のようである。お線香が包装されて友人の手元に届いたのは、品物を男性店員に渡して10分以上も経過してからであった。だれか包装に入ればよいのに…。

旅行新聞新社が全国の旅行会社に審査を依頼する「プロが選ぶ旅館・ホテル100選」において連続27年間も総合1位に輝く石川県和倉温泉の旅館加賀屋。数年前に見学の機会を得た。

会長の小田氏は「日本一の山はどこか? という問いには『富士山』とだれもが答えられるが、2番目は? には答えられない。旅館をやっている以上、日本一のサービスを維持するためにがんばりたい」。「目の前のお客様への対応は『待ったなし』であるから、人手が必要なときには経理や総務部門の社員もフロントや売店の仕事ができるように教育している。経理や総務の仕事は残業で片付けられるが、目の前のお客様には今、ここで応対しなければならない」とおっしゃった。

小売店では、売場単位で売上やコスト目標を立てているところが多い。また、衣料品などの売場にはメーカー派遣の店員さんもいるため、他の売場の商品に関する知識を持ち合わせていない場合もある。しかし、線香売場の事例のようにお客さんが多くなることが分かる時期には適切な人数を配置し、それでも混雑すれば臨機応変に対応することが必要。その指示を出すための巡回役なのではないだろうか。

小売業は商品という有形財とサービスを消費者に提供するサービス産業であるが、一部の好調な小売店を除き、その大半は売上を減少させている。小売業界、特に対面販売における業績回復は販売システムの改善にあるのではないだろうか。
投稿者 Fcommu : 2008年02月18日 04:00

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