2007年12月07日
 ■  より良い人間関係を築くためのヒント ~1~

大学で「社会心理学」の授業を担当しています。社会心理学は「人間の社会的行動」、つまり「人間が社会生活の中で、お互いに影響を与えながら、どのように行動するのか」を明らかにします。そして、そのテーマには「他者をより良く理解し、自分を適切に表現し、相互理解を深め、より良い関係を築くこと」に、いかに貢献できるか、があります。

このシリーズでは、不定期ですが「より良い人間関係を築くためのヒント」を記します。

~1~ エチケット・マナーの基本

より良い人間関係を築くための基本は、友田二郎氏(1982)をもとに考えると、

  • 相手を尊重すること
  • 他人に迷惑をかけないこと
  • 人に好感をもってもらうこと

にあると言えます。

1)「相手を尊重すること」とは、「自分のことと同じように相手のことを考えること」「自分がしてもらうとうれしいことを相手にもすること」でしょうか? ポイントは、尊重する相手を明確化することです。自分にとって大切な人にプレゼントをするとき、わたくしたちは「○○さんが喜んでくれるには?」と相手を特定し、何を、どんなふうに贈ろうか? などと考えますよね。
○○さんのことを自分のことと同じように考えて、○○さんが喜んでくれたり、気分よくなってくれたりする言動を心がけたいですね。

2)「他人に迷惑をかけないこと」とは、「他人が嫌がることをしないこと」「自分がされたら嫌なことをしないこと」です。迷惑要因には

  • 時間の迷惑(時間を守らずに、遅刻をしたり早すぎたりすること)
  • 音の迷惑(騒音、雑音、携帯電話での話し声やモバイルミュージックプレイヤーなどの音漏れなど)
  • 空間の迷惑(場所ふさぎなど)
  • においの迷惑(タバコのにおいや香水のつけすぎ、悪臭など)
  • 接触の迷惑(触られたり、押されたりすることなど)
  • 見た目の迷惑(見たくないもの-カップルのいちゃつきなど)

に大別されます。

迷惑をかける範囲は、自分が思う以上に広いことにも気をつけたいですね。自分は携帯電話に小さな声で話しているつもりでも話し声は意外に遠くまで聞こえていることもあります・・・

そして「相手を尊重し、他人に迷惑をかけない」結果が、まず、3)「人に好感をもってもらうこと」につながります。しかし、これには少しスキル(技術)が必要です。好感をもってもらう対象がどのような人(たち)であるのか、どのような人間関係を築こうとするのか、どのようなコミュニケーションの手段が使えるのか、などを考える必要があります。これについては、改めて・・・。


参考: 友田二郎(1982)「国際儀礼とエチケット」学生社。
友田氏は、1)人に好感を与えること、2)人に迷惑をかけないこと、3)人を尊重すること、と記していますが、筆者が表現と順序を変えました。
投稿者 Fcommu : 2007年12月07日 04:00

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