- 本日のお勧め本 「企業の見極めに良い本」
- ここに注目!!「新たな現実を指す言葉、『グローバリティ』」
- 本日の気づき「小宮先生の経営基本講座へ」
(1)本日のお勧め本
新興国発 超優良企業 - ハルロド・L・サーキン
本日は、これからの新興国の成長を見ていく上でその国でどのような企業が成長するかを確認する良い機会を与えてくれる本です。
日本の高度経済成長の時には、ソニーやホンダの成長があったように、これから新興国と呼ばれる国が経済を更に発展させていく為にはその国でどのような企業が急成長しているかを分析するのが一番分かりやすい方法であると思います。そういった意味ではこの本だけでその100社が国別にあげられており、それらの企業のリストを見るだけでも充分に価値がある本ではないでしょうか?
やはり中国、インドという国が多いですが、次にブラジルがくるなど今まで知らなかった企業が大半であり、これらの企業をじっくりと追っていきたいと感じました。この本で伝えたい事は、これら新興国の企業の成長をただ驚異と感じるだけではなく、それらの企業に見習ったり、協業したり新しい可能性を日本企業が追う、そんな期待が込められているのです。
国が違うから、文化が違うから自分たちにできないと言うのではなく、なぜその企業が成長しているのか、どうしたら自分たちにも応用できるのかという事を分析することから始めることが第一歩だと思います。
かつて日本がアメリカを追っていた時のように、今は日本が追われる立場になりこれからどう日本企業がグローバル化していくのか非常に楽しみです^-^。
(2)ここに注目!!
- 国際情勢が未曾有の変貌を遂げるなか、今後私たちは『あらゆる国々』の『あらゆる人々』と『あらゆるもの』を競い合っていくことになる。この新たな現実を指す言葉こそ、『グローバリティ』なのだ。
- グロバリティの時代には、ビジネスの流れが一方向ではなく、ありとあらゆる方向へむかう。それぞれの企業が、明確な心臓部を持たない。『異国』という概念がもはや異端になる。取引が複雑化し、市場シェアは目まぐるしく移り変わる。
西洋のビジネス慣習と東洋のビジネス哲学が
混じり合って、ものの見方が変わり、利益や競争だけでなくサステナビリティ(持続可能性)やコラボレーション(協業)なども視野に入れるようになる。 - グロバリティの時代でいかに成功するか、そのすべを身に付けるスピードは、全般的に言って先進国の『既存勢力』よりも、新興国の『チャンレンジャー』のほうが速い。
- 今日のようなグローバリティの時代に勝ち抜き、成功していくためには、新・旧いずれの側の企業であろうと、いくつかの闘いに勝利しなければならないのである。
私たちBCGでは、これを『グローバリティの7つの闘い』と名付けた。
1.コスト格差を意識する
2.人材を育成する
3.市場に深く入り込む
4.『ピンポインティング』をおこなう(業務ごとに最適な場所に配置する)
5.大志を抱き、迅速に行動し、外に出ていく
6.創意工夫によりイノベーションを起こす
7.多元性を受け容れる - 『チャレンジャー』も『既存勢力』も、ここに挙げた項目のうちいくつか、いやおそらく7項目すべてに取り組まなければ、『あらゆる業界で競争のルールが目まぐるしく変化する』グローバリティの時代を生き抜くことはできない。
- 『チャレンジャー』が存在するのはまぎれもない事実だ。世界中の新興国・急成長地域を広く見渡すと、すでにじゅうぶんな成功を収めている注目すべき『チャレンジャー』が、少なくとも3000社ある。本書ではその中から100社選び、詳細に分析している。
- 現地の人材の潜在能力を開花させたいのなら、次の2つの点を肝に銘じるべきだ。
第一に、現地法人に製品のイノベーションや開発をさせること。
第二に、それぞれの地域にふさわしい、ローカルな経営方針や戦略を練ること。 - 以下の6つのポイントを念頭に置き、新興国市場の奥深くまで入り込むことができれば、企業は大きな成長を遂げることができるだろう。
1)新しいカテゴリーを創り出す
2)スイートスポットを見つける
3)ローカライズする
4)混沌のなかで流通網を築く
5)『企業向けビジネス』を手がける
6)新たな市場へ進出する - いまや世界最大級のベビー用品メーカーであるグッドベビーは、流通の壁を克服して、赤ん坊を持つ親たちに製品を届け、まず中国国内での成功のものにした。
CEO兼会長のソン・ツェングワンはこう話す。
『私たちは、日々、発展を遂げる中国の、商業上の問題点や矛盾点に真正面からぶつかり、苦しい試練に通じて大事なものを学びとって、成功をつかんだのです。』 - ウィプロ・テクノロジーズは『ビジネス・テクノロジー・プロセス・ソリューションを統合して提供するナンバーワン企業』を自負している。そのウィプロが2007年、アメリカのインフォクロシング社を買収した。ニュージャージー州に本社を持つ、ITサービスのアウトソーシング会社だ。
- ウィプロの最高技術責任者、ディバカラン・マンガラスはこう話す。
『インドでやっていたことを、ただそのまま続けるのではなく、インドでやっていたのと同じことを、ラテンアメリカ、中東、中国でもおこなって、他社より一歩先を進み続けたいと考えています。われわれのインドの活用のしかたは、アクセンチュアやIBMがやっているインドの使い方とは違います。他国への輸出向けの開発拠点として、中国や中東も利用していくつもりです』 - 多元性の時代を生き抜くためには、次の3つの点に取り組む必要がある。
世界のどこで存在感を示すかを決める
各地域の特徴を保つ
多極化する - グローバルな変革を遂げるには、次の7つの行動が役立つだろう。
自社の競合ポジションを評価する
発想を変える
自社の人材の現状を評価し、あるべき姿へ移行させる
好機をもれなく把握する
将来のグローバルな体制を定義する
創意工夫を促す
変革を最前線で指揮する
(3)本日の気づき
講師は、明治大学の吉村教授でした。
この方は経営学が専門で、その中で色々な具体的な話をしてくれました。
面白い話を1つ。
サンリオが初めて米国に進出したのはサンフランシスコだそうです。そこにビル・ゲイツはよく通っていて、車で来ては車一杯にキティちゃんのぬいぐるみを買っていったそうです。これは吉村教授が現地に行ってまで聞いてきたそうですが、それは結構な頻度だったそうである時サンリオの現地の人がゲイツに名前を聞いたそうです。その時、ビル・ゲイツが実は本当に欲しいものが1つあるとその店員に尋ねたそうです。
『キティちゃんの版権を売ってくれないか??』と。
実はゲイツの狙いは、キティちゃんをwindowsのキャラとしてデスクトップ等に使用したかったとの事。
もちろん、サンリオはNOときっぱりと断ったそうですが、その時ゲイツが提示した額が70億円というから驚きですよね・・・。
そして、こちらは少し悲しい?話を。
本田宗一郎さんが病床でいよいよという時に記者の方が1つだけ質問したそうです。
『本田さん、人生で何か後悔していることはありますか?』と。
本田さんは『ある』と答えたそうです。
それは『本田技研と、社名に本田の名前をつけてしまったこと』だそうです。
これを自分が死んだら、外してくれと社員に頼むものの社員はかたくなに外さない、この社名を外せるのは本田宗一郎自身しかいないがもうそれも出来ないということで、それだけが後悔したことと言われたそうです・・・。
何と無く考えさせられるお話をお聞きしました。
(4)目次
- グロバリティとは何か?
- TSUNAMI(津波)
- コスト格差を意識する
- 人材を育成する
- 市場に深く入り込む
- 『ピンポインティング』をおこなう
- 大志を抱き、迅速に行動し、外に出て行く
- 創意工夫によりイノベーションを起こす
- 多元性を受け容れる
- 『あらゆる国々』の『あらゆる人々』と『あらゆるもの』を競う
本日も読んで頂いて、誠に有難うございました! 感謝!!