- 本日のお勧め本「伝説の経営者であるルイス・ガースナーが会長を務めるカーライルについて書かれた1冊です。」
- ここに注目!!「カーライル・グループ。運用資産9兆円。」
- 本日の気づき「今なぜ日本企業の元気がないのか」
(1)本日のお勧め本
カーライル―世界最大級プライベート・エクイティ投資会社の日本戦略 - 鈴木 貴博
価格:¥1,890
本日の1冊は、伝説の経営者であるルイス・ガースナーが会長を務めるカーライルについて書かれた1冊です。IBMを去ったガースナーがなぜカーライルを選んだのか、そしてそこで何をしようとしているのかにも触れており、またカーライルの日本での活動も非常に具体的に書かれた1冊です。
また、今世界でなぜプライベート・エクイティが急成長しているのかにも触れており、世の中の流れを読む意味でも是非手にしたい内容になってます。
(2)ここに注目!!
- カーライル・グループ。運用資産9兆円。ワシントンDCを本拠地として世界中に34箇所の事務所と1000名のスタッフを抱える世界最大級のプライベート・エクイティ、巨大ファンドである。1987年の創業当初、わずか5億円の投資資金と4名の投資プロフェッショナルによって創業され、その後20年間で運用資産規模を1.6万倍に増やし、ブラックストーン・グループ、コールバーグ・ロバーツ(KKR)と共にグローバル3大ファンドの一角を構成している。
- ガースナー
『人間は4つのタイプしかない。何かを起こす者。起きた何かに翻弄される者。
起きたことを傍観する者。そして何が起きたかに気づかない者である。』 - ガースナーから衝撃的な話が始まった。『なぜプライベート・エクイティがこれほど世界中で伸びているのか、あらゆるビジネスマンはその理由を理解する必要があります。それは世界中で今、企業の数が余剰になっているのです。』
- 実業界出身のカーライルの創業人もガースナーと同じ目線で企業を見つめていた。『カーライルがユニークなのは、人材の育成が投資だと考えている点です。これは実業界では常識ですが、金融機関が投資という言葉を考える際には非常にめずらしいことではないでしょうか』
そうガースナーは、自らの動機についての答えをしめくくった。
- 世界がフラット化した結果、競争は激化した。激化の真因は、マーケットがひとつになったことで企業の数が余剰になったためだ。『そうなったがために、企業の経営者は選択と集中を今までとは違う、さらに研ぎ澄まされた次元で行わなければならなくなったのです。』
- 『さらにもうひとつ。プライベート・エクイティが成長している大きな理由があります。それが、企業のガバナンスという問題です。これに関しては、過去20年ばかりの間にアメリカにおいても本当に深刻な疑問が呈されてきた問題です。』
- カーライル・グループのガバナンスは一定の長期にわたることに加えて、経営陣にも会社のオーナーの一部になることを要請する。
- 本書の最後にもうひとつだけ、ファンドというミクロの話ではない、日本全体にかかわるマクロ経済の話を論じておきたいと思う。
この異質な話の語り手は、カーライル・ジャパン会長の伊佐山健志だ。もし日本の財界にエスタブリッシュメントというべき階層があるとすれば、伊佐山は間違いなくその主要メンバーの一人である。
2001年にはゴーン改革の真っ只中にある日産自動車に副会長として着任し、カルロス・ゴーンを補佐した。
- 『この10年でまったくと言っていいほどビジネスのメカニズムが変わった理由は、ITと金融です。ITのほうは、実感としてわかるでしょう。しかし、あまり理解されていないのは金融が実体経済に与える影響がまったく変わったということです。』
- 90年代初期、実体経済と金融経済の大きさの比はせいぜい1;1.7程度。現在では1;3.2にまで拡大していますが、今後その比率はさらに増大するはずです。そのことに経営者が気づけば、もっと真剣に金融資本経済のことを考えていかなければならないと考えるはずです。それなのに多くの経営者も政治家もジャーナリストも、現実にはそれをつきつめようとしていません。
- 『経営メカニズムが変わったことを経営者は学ぼうとしていません。それによって、本来負けることがない場面で日本企業が負けるかもしれないという悲劇が起き始めています。』
- ひとつだけ具体例を挙げよう。太陽電池パネルの業界では、それまで先行研究の成果で優位にあった日本企業。このうち、トップのシャープ以外の企業の地位が危うい。日本が圧倒的に先行した業界に今、異変が生じている。
- 『日本企業は、自分のリソースで何とかしようとします。そこが時代の変化に遅れてしまっているのです。』伊佐山が指摘するのは、こういうことだ。
欧州のコングロマリットは、まず今後の競争に勝ち残るために必要な資金を先にはじく。自分が投資できるというロジックから算出した1000億円ではない。勝ち残るために、というロジックから算出した数字をまずはじく。
- 『もっと多くの産業界の中核人材が、金融資本主義の中に入ってこなければならないのです。数多くの経営者が金融の重要性に目を向け、数多くの優秀なビジネスマンが金融の意味することを深く理解するようになってほしいと思っていま
す。』 - 『カルロス・ゴーンの仕事は、つきつめると3つのことに尽きます。時代の変化
を見る。やらなければならないことは迅速にやる。そして、やってはならないこ
とをやらない。』 - 世界は変わってしまった。日本は本来、グローバルな世界をリードできるだけの技術や商品を生み出す力がある。その日本がいま、グローバル社会の中では眠りにつこうとしている。
- だからこそわれわれ日本人は、金融を嫌うのではなく、逆に学ばなければなら
ない。
(3)本日の気づき
本書には、カーライル会長 ルイス・ガースナー、そしてカーライル日本会長 伊佐山氏、さらにマッキンゼーから参加した平野氏が登場するだけでも十分に読む価値がある本であると思います。
そして、今なぜ日本企業の元気がないのか、という確信にも触れており是非詳細を読んで確認して頂きたいと思います。
今回はあまりにも内容が濃く、事例を紹介するまでには至らなかったのですがガースナー氏、伊佐山氏の言葉を中心に紹介をしました。
これらの言葉だけでも非常に気づきを与えてくれますが、是非丸ごと1冊読んで頂きたいと思います。
(4)目次
- ガースナーはカーライルで何をしようとしているのか
- 実現しなければ道は途切れてしまう-コバレントマテリアル-
- 経営陣による株主の交代《MBO(マネジメント・バイアウト)》
- ものづくり企業の使命は変わらない -キトー-
- 非公開商品に投資するファンド《プライベートエクイティ》
- ユーザーにもっと価値を-ウィルコム-
- 経営力を高める機能 《コーポレイトガバナンス》
- 真のグローバル・ワンカンパニー化への道-クオリカプス-
- K地を生み出す行動規範《ワン・カーライル・コンセプト》
- 日本の経営者が獲得すべき《新たな戦略思考》
本日も読んで頂いて、誠に有難うございました! 感謝!!
