- 本日のお勧め本「伊藤忠商事の元社長である著者の本」
- ここに注目!!「人にはそれぞれ役割がある」
(1)本日のお勧め本
人は仕事で磨かれる - 丹羽 宇一郎 -
本日は、伊藤忠商事の元社長である著者の本をご紹介したいと思います。
著者は98年に社長就任、99年に約4000億円の不良資産を一括処理しながらも、翌2000年度決算では同社史上最高益を計上した手腕を見せてます。
そんな著者が、経営者に必要な要素を述べながら、どのような信念を持って経営を行なってきたのかが垣間見れます。
『人』への回帰が見られる現在、『トップとして最も重要なのは、部下との対話』と述べています。
つまり、トップの思いが分かっていると実行できるとは違うということ。
分かっていても、実行出来なければトップの真意は伝わっていないも同然。
だから、著者は『シンプルにわかりやすく、心に残る言葉遣いをいつもこころがけていた』といわれます。
トップの言葉が部下が理解し行動できるレベルまで部下と対話できるか?
そして、部下はその言葉をしっかりとうけとめ仕事に没頭することができ るか?
この2つが企業の強さを象徴すべきものになってくるのです。
著者の実体験を交えており、今のあなたの立場では何をすれば良いのかが理解できる本になっています!!
(2)ここに注目!!
- 2004年4月2日、伊藤忠商事は、2004年3月期の連結決算で320億円の赤字を計上する記者発表を行ないました。2005年度から適用される日本会計基準における。『固定資産の減損会計』を早期適用した結果です。
これが、社長としての私の最後の大仕事となりました。 - 人には、それぞれ役割があります。企業のトップならなおさら、中興の祖とか事業拡大の立役者などといった具合に、その役割は明確にならざるを得ません。
振り返ってみると、私の社長としての役割は『掃除屋』だったのではないかと思ってます。 - 限られた分野の仕事をしていた人間に、いきなり経営全般をやらせるのは難しいのではないかという人もいます。しかし私は決してそうは思わない。一芸に秀でているもの、つまり1つの業界でプロフェッショナルになる能力を持った人は、本社の管理部門に来ても他の業界のことを掌握できるんです。
- そもそも経営というのは、実務を行なうこととは異質なものです。
どうやってお金を儲けるかということより、もっと大切なポイントがある。
それは、経営管理、すなわち人を動かす力や、組織を改革する力といったものです。 - 誠実さと言行一致。絶対に裏切らないこと、言ったことは必ず実行に移す。
しかも早く行動する。たとえば、『一回、わが社の人間をお宅にお邪魔させます』と言ったら、3日後には行くように指示します。1週間後ではダメ。
3日以内です。 - トップというのは、会社が苦しいときは真っ先に苦しみ、順調なときは最後にいい思いをする。そういうものだと思います。
- 経営者というのは、私の言葉でいうと『経営の信用受託』なんです。したがって、そこに信用される要素、私に言わせると倫理観がなければいけません。
- トップに立つ人間はこの『金の匂い』がするかどうかが大切です。
頭の善し悪しだけでトップを選ぶものではありません。どんなに頭が良くても金の匂いがしなければ、貧乏会社になってしまう。 - 連続日本一となって京都大学アメフト部の水野弥一監督は、『人間の肉体と技術には限界がある。しかし心には限界がない』と言っていました。まさにそのとおりだと思います。
- 太い幹をつくろうと思うなら、たえず考えながら本を読むことです。読書でしか得られないもの、それはやっぱり論理的な思考です。
- トップに立つ人間にとって、もっとも重要なことは何か。それは、部下との直接の対話です。
- 部下との対話を続けていけば、こうした『わかったつもり』をその都度、是正していくことができます。そして、彼らが異なった視点から学ぶことも多いはずです。
- 人材と技術力を持たない限り、21世紀の日本も、そして企業も、長期的な繁栄は難しい。資源は金さえ払えば確保することができます。しかし、人や技術はそうはいきません。
- とりわけ『人』が重要です。しかし、残念なことに世の中は『知の衰退』の時代になってきたと私は感じます。要するに我々の世代に比べて、物事を体系的に考える力や想像力が枯渇してきているのです。
- 私は、一流の人と接することは非常に大事だと思っています。
人間は一流に接しないといけない。一流の人に会う、一流のモノを見る、触れる。
経営も同じです。 - 私はよく経営会議で言うんです。『君たち、本当にオシッコ漏らすぐらいの緊張感を感ずる仕事をしろ』と。
- 緊張を伴う仕事であればあるほど、そこから得られるものも大きいはずです。
人間として一回りも二回りも成長していくことができる。
『人は仕事で磨かれる』という真意は、ここにあるのです。 - 人は仕事で磨かれる。今でもこの信念は揺らいでいません。もっと言えば、人は仕事で磨かれ、読書で磨かれ、人で磨かれる。この三重奏だと思っています。
そして今、ここでもうひと言付け加えたいと思います。
『自分を磨くために、一歩踏み出せ!』 - 第1部 4つの大いなる決断
- 掃除屋
- 新領野の開拓
- 負の遺産
- 経営者を引き受けるということ
- 第2部 決断する力を養う
- 本屋さんの息子
- 自分を鍛える
- コミュニケーション環境を整える
- 人を育てる
(3)目 次
本日も読んで頂いて、誠に有難うございました! 感謝!!