是非、メールマガジンにご登録いただき、キャンペーンにご応募ください。
詳細につきましては、キャンペーンページをご覧下さい。
Bad ← 1 2 3 4 5 → Good
評定平均:(3.3)
投票人数:(827)
■ 第4話 「6つの感性」に成功の鍵が…
— 求められる能力の変化— 「6つの感性」とは
■ダニエル・ピンク氏のプロフィールはこちら
■ダニエル・ピンク氏おすすめの書籍はこちら
さて、これまで論じてきたことを考え合わせてみよう。自分自身のキャリアを考えてみると3つの問いかけが浮かんでくる。
この仕事を他の国の誰かがもっと安くできるだろうか? コンピュータならもっと速くこなせるだろうか? 自分の仕事は、この豊かな時代の中で本当に需要があるだろうか?
海外の方が安くできるのならその仕事は流出する。コンピュータの方が速ければ機械に取って代わられる。機能性だけで意味合いのない商品は売れない。これらアウトソーシング、自動化、意味合いを考えたとき、ホワイトカラーが行なう日常業務は非常に不利な立場にある。
これまで軽視してきた能力——特に米国においてであるが、共感性・デザイン・遊び心・創造力・全体像を描く力・相関関係が分かる力。これらがビジネスで重要になってきた。とまあ、これが「ハイコンセプト」で論じられている内容である。
— 「6つの感性」とはつまり、必要な「6つの感性」とは「デザイン」「物語」「調和」「共感」「遊び心」「生きがい」である。ひとつずつ手短に説明しよう。「デザイン」は、既に少し触れたが、必要不可欠なビジネス資質となった。デザインのことがわからなければ、今日のビジネスでは生き残れない。
「物語」が重要なのは、今我々が選択肢の多い世界にいるからである。情報の海から何かを知るのは簡単だ。ゆえに、今大事なことは情報をどのように探すかではなく、いかに情報を整理し、感情を込めて提供できるかということだ。「物語」と言うのはそれを可能にする。マーケティングにもリーダーシップにもナレッジ・マネジメントにも入り込み、その重要性はさらに高まっている。
「調和」とは、全体像を見る力で、点と点をつなぎ、異なるもの同士を合体して新しいものを生み出す極めて重要な能力である。四つ目の「共感」は、相手の立場、相手の目線で考える能力である。人間が元々持っている能力だが、アウトソーシングや自動化しにくい点でその重要性を増している。「共感」は、販売現場、リーダーシップそして多くの医療専門職に浸透してきた。真面目さの中にも遊びの要素を取り入れ、職場に楽しさ、ユーモア、笑いが戻る。最後は、モノの蓄積でなく「生きがい」。先進経済では、生きがいの追求は重要。
人は仕事に生きがいを見出そうとする。やりがい、目的、意義を提供することで企業はもっと有能な人材を確保できる。以上の6つの能力について最後に一言いっておきたい。
次のような言い訳をする人が時々いる。
「オレは全くデザインは苦手だ。そんなのは絶対に覚えられない。これらの能力は先天性のものだ。」このような考えは間違っている。これらは元来全ての人間にある資質だ。何が起こったかと言うと、この情報社会、即ち「左脳の時代」でこれらの能力は埋もれてしまったのだ。あまり使うことの無い筋肉のように、一時的に萎縮してしまったのだと思う。だから、訓練で回復さえしていけば、これらの感性があることに気づき、人は多くの能力を育成できるのである。本書「ハイ・コンセプト」には、このためのヒントや演習が7, 80ある。仕事に必要な技術や能力が今の時代、どう変化しているかを論じるだけでなく、希望と実践ツールを提供する本である。以上が「全く新たな考え方」である。
Bad ← 1 2 3 4 5 → Good
評定平均:(3.0)
投票人数:(673)