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2008年03月26日
 ■  第66回 ダニエル・ピンク氏 FコミュVideocast
今回もスペシャルゲスト アメリカ人ジャーナリストのダニエル・ピンク氏をお迎えしています。第3話も引き続きピンク氏の著書「ハイ・コンセプト」の中からお送りします。
これからのビジネスマンを脅かす「3つの危機」-原因は「アジア・自動化・豊かさ」によって引き起こされ、その結果、「左脳主導思考の相対的な重要度が低下し、右脳主導思考の重要度がました」という。私達の生活がオートメーションやアジアといった要素に追い立てられ、豊かさによって作り替えられるとどうなるのか?と警告を発しています。

■ 第3話 「アジア・自動化・豊かさ」にみる右脳的思考

— 「ビジネスマンを脅かす自動化の波」
— 「豊かさの中で勝ち抜くには」
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— 「ビジネスマンを脅かす自動化の波」

形勢逆転の理由を思い出してみよう。アジア、自動化、そして豊かさである。

先ずは、自動化について話そう。ポイントは簡単だ。前世紀、機械が人間に取って代わった。機械の方が力仕事が得意だからだ。今世紀、ソフトウェアが脳に代わる。しかし、代替できるのは論理、逐次、順次処理の分野であり、右脳ではない。今、自動化の波に晒されているのはブルーカラーに続きホワイトカラーだ。例えば遺言書の作成等、法律上の作業ができるソフトウェアが ある。米国ではオンラインのウェブサイトを検索して離婚手続きもできる。

弁護士に掛かる10分の1の費用ですむのである。また、複雑な所得申告制度がある。普通のサラリーマンも確定申告をする。とても複雑で厄介なもので、レシートも取って置かなければならない。これは税理士にとっては、美味しい話で客からは「あとは頼む」てなことになる。しかし強力なライバルが出現した。

39ドルの「ターボタックス」というソフトを使えば、所得税申告も簡単だ。毎年2,100万人の米国人がこのターボタックスを使っている。繰り返しになるが、最初の2つの理由はアジアと自動化。

— 「豊かさの中で勝ち抜くには」

3つ目の理由は、豊かさだ——「アジア」、「自動化」、「豊かさ」

豊かさというのは、まだ歓迎できる話だ。と言うのも、先進国に驚くべき水準の中流階級があることを示しているからだ。日韓、西欧、オセアニア、北米における中流階級の物質的な豊かさは驚異的だ。今の中流の生活水準は七十、百年前の大金持ちよりも上である。現在の日本の中流階級は、百年前の富裕層よりも良い生活をしている。これはビジネスに重大な影響を与える。色々なモノを持ち、市場にもモノが溢れ、人々には途方もない数の選択肢がある。東京でもそうだが、選べる商品は多い。これだけ選択肢が多い中、売りたい物を目立たせるにはどうしたら良いのか。

最近増えてきたのが、右脳的思考——生産の裏話、デザイン、商品の意味だ。
驚くことに今は、デザイナーブランドのトイレブラシもあるのだ。これも溢れる市場での目立ち方なのだ。デザイナーものの塩入れをはじめ様々なデザイナー商品が生まれた。日本ではさほどではないが、米国の八百屋に行けば、生産者の話が読める。お餅には、もち米農家の話が書いてある。この間の夜も話したが、ある八百屋では農業者の写真をポスターにしている。と言うのが、溢れる市場での目立ち方だ。商品デザインには「機能」だけでなく「意味合い」も持たせるのだ。人が人のために作るものは全て「機能」と「意味合い」の組み合わせだ。つまり、機能以外の特徴が必要なのだ。我々は今、大変な経済社会にいる。誰でも良い物を買うことができるからだ。

どんな商品やサービスでも、安くて品質の良いものを入手できるのだ。従って、商品を際立たせるには、斬新で良い品を創るか、機能を増やすしかない。トイレブラシは、汚れ落ちだけでなく、見た目も良くなければならないのだ。これが豊かさのもたらすものなのだ。


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2008年03月13日
 ■  第65回 ダニエル・ピンク氏 FコミュVideocast
インドのプログラマーは、欧米と同じ仕事を4分の1の報酬でやってしまう。インドの人口15%が中流になったと仮定したら、1億5千万人、日本の総人口を上回る。これは何を意味するか?
ホワイトカラーが従事する左脳型ルーチンワークの大部分が、今ではアジアの国々で驚くほど安いコストで行われている現状を前に…。をお送りします。

■ 第2話 アジアを取り巻く実情

— 「インドのパワー」
— 「ホワイトカラーも失業?」
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— 「インドのパワー」

アジアと言っても、日本の事ではない。中国、マレーシア、フィリピン、特にインドのことを指している。正確には、ホワイトカラー職の流出だ。思うに、最近のインドなどへの移転は多少誇張されて伝えられている。数字的には外注はそれほど大きくない。しかし長期的な影響は意外と大きい。その理由は簡単だ。

手始めにインド人のコンピュータプログラマーを例にとってみよう。インドには長く居たので話しやすい。インド人のプログラマーは平均で年に1万5、6千ドルは稼ぐ。米国なら6万ドル相当の仕事である。同じ仕事を彼らは4分の1でやるここにインドの特殊な優位性がある。コンピュータ科学や工学などの学位を有する労働者なら尚更のことである。予想以上に影響が出てくる理由を数字で示してみよう。

15%のインド人が中流になったらその人数は1億5千万人に達する。つまり、インドの人口は10億だから85%が取り残されたとしても1億5千万が世界労働市場に進出する。何と、これは日本の総人口を上回る。85%が中流まで行けなくてもである。米国の場合、日本よりも国土が広く経済規模も大きい。その労働人口は先月1億4600万人。繰り返しになるが、インド人の85%が中流になれずに農村暮らしをしていても優秀で意欲的な中流インド人の数は世界第2の経済大国である日本の人口や世界一の経済大国の就労者数を凌駕する。2つ目の注目点は、2010年迄にインドが米国を抜いて世界一の英語圏になること。そして英語は、その良し悪しは別にしてグローバル経済の標準言語である。さらに、北米や日本との通信コストは殆ど無料で、ほんの数セントである。以上のことから次のことが言える。

完璧な英語と高学歴の中流1.5億人が無料の通信網で北米や日本とつながる。これは大変なことで、影響は甚大である。

— 「ホワイトカラーも失業?」

ホワイトカラーの日常業務は、もはや「一商品」となった。「日常業務」というところが、ミソでマニュアル化できるような仕事をさす。ある種のホワイトカラー職のことで会計業務やソフト開発、法務や財務分析などの仕事のことである。手順を示して、第三者にできるならばそれらの仕事は国外に流出してしまう。海中の光ファイバー網を経由して一番安価なところに仕事は移転する。これは既に製造業で起きている。日本の強い製造業は中国やアジアに日常的な製造業務を移転している。日本で行うのは高度なものだけである。

日常的なホワイトカラー業務も同様に最も安価なところへと流出している。このことは何を意味するのか。ちょっと脳の話に立ち帰ってみると、日常業務というのは左脳が担当している。

左脳が行う仕事が移転の対象であり、日本、米国、英国、豪州、西欧の人々はこの領域で競合しているとも言える。以上がアジアを取巻く事情である。


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2008年03月11日
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