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2008年04月21日
 ■  ダニエル・ピンク氏 Podcast番組一覧&プロフィール
アメリカ人ジャーナリスト
ダニエル・ピンク氏
Dr. Daniel Pink
ダニエル・ピンク氏写真
「情報化の時代」から「コンセプトの時代」へ
これまでの思考の殻を破った「ハイ・コンセプト(新しいことを考え出す人)の時代」これから求められる「6つの感性」とは?
「21世紀にまともな給料をもらって、良い生活をしようと思ったときに何が必要か、何をしなければならないかー本書は『100万ドルの価値がある質問』に初めて真正面から答えを示した、アメリカの大ベストセラーである。」(大前研一)
今や、世界各地から講演、講義で引っ張りだこのダニエル・ピンク氏の著書「A Whole New Mind」(「ハイ・コンセプト」大前研一訳) の中身を著者自ら語って頂きます。
「左脳主導思考」は今も必要であるが、もはやそれだけでは十分ではない。成功するためには「右脳主導思考」がますます重視される時代を迎えつつあるという。右脳・左脳それぞれの機能、役割分担を冷静に分析しつつ、時代の変化に伴い、今後、求められる能力「ハイ・コンセプト」について、語って頂きます。

■ 第1話 「ハイ・コンセプト(新しいことを考え出す人)の時代」

— 「左脳中心時代」
— 「右脳逆転の裏には」
インドのプログラマーは、欧米と同じ仕事を4分の1の報酬でやってしまう。インドの人口15%が中流になったと仮定したら、1億5千万人、日本の総人口を上回る。これは何を意味するか?
ホワイトカラーが従事する左脳型ルーチンワークの大部分が今では、アジアの国々で驚くほど安いコストで行われている現状を前に…。をお送りします。

■ 第2話 アジアを取り巻く実情

— 「インドのパワー」
— 「ホワイトカラーも失業?」
これからのビジネスマンを脅かす「3つの危機」-原因は「アジア・自動化・豊かさ」によって引き起こされ、その結果、「左脳主導思考の相対的な重要度が低下し、右脳主導思考の重要度がました」という。私達の生活がオートメーションやアジアといった要素に追い立てられ、豊かさによって作り替えられるとどうなるのか?と警告を発しています。

■ 第3話「アジア・自動化・豊かさ」にみる右脳的思考

— 「ビジネスマンを脅かす自動化の波」
— 「豊かさの中で勝ち抜くには」
「情報化社会」から「コンセプチュアル社会」、つまり、既成概念にとらわれずに新しい視点からも物事をとらえ、新しい意味づけを与えていくという流れ「第四の波」の時代にあって、これからの成功者と脱落者を分ける3つの「自問」の後、我々が身につけていきたいハイ・コンセプトでハイタッチな「6つのセンス」が新しい時代に不可欠な感性である。これらは誰でも身につけることができる資質であると語っています。

■ 第4話「6つの感性」に成功の鍵が…

— 求められる能力の変化
— 「6つの感性」とは
ダニエル・ピンク氏プロフィール

1964 年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業、エール大学ロースクールで法学博士号(J.D.)取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でロバート・ライシュ労働長官の補佐官兼スピーチライター、ゴア副大統領の首席スピーチライターを務める。フリーエージェント宣言後、世界各国の企業、大学、組織を対象に、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」「ハーバード・ビジネス・レビュー」他精力的に執筆。現在ワシントン D.C.在住。

ダニエル・ピンク氏の著書である「The Whole New Mind」-訳書「ハイ・コンセプト」(訳・解説者 大前研一)は、情報化社会(第三の波)後に来る「新しい大きなうねり」(第四の波)とそれに対処する生き方を示す警世の書として大きな話題を呼び、アメリカで発売と同時にビジネス部門で第一位にランクされている。


 ■  第64回 ダニエル・ピンク氏 FコミュPodcast
今回よりスペシャルゲスト アメリカ人ジャーナリスト ダニエル・ピンク氏をお迎えしています。ピンク氏はゴア副大統領の首席スピーチライターを務め、その後フリーとなり「ハイ・コンセプト」や「フリーエージェント社会の到来」の著者で、現在アメリカのベストセラー作家として活躍していらっしゃいます。
「左脳主導思考」は今も必要であるが、もはやそれだけでは十分ではない。成功するためには「右脳主導思考」がますます重視される時代を迎えつつあるという。右脳・左脳それぞれの機能、役割分担を冷静に分析しつつ、時代の変化に伴い、今後、求められる能力「ハイ・コンセプト」について、語って頂きます。

■ 第1話 「ハイ・コンセプト(新しいことを考え出す人)の時代」

— 「左脳中心時代」
— 「右脳逆転の裏には」
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— 「左脳中心時代」

「全く新たな考え方」という原題は「ハイ・コン・セプト」と訳されている。

もう一度、「ハイ・コン・セ・プ・ト」。本書では、米国、西欧や日本だけでなく他の先進経済国にも共通のこととして今日の仕事に必要な技能や能力は何かということについて論じている。かつては、弁護士、技術者、会計士等の能力が重視されていた。確かに今も重要だが、昔ほどではない。

違うタイプの能力が重宝されつつある。世界中で起きているこの現象をうまく説明するにはある物を用いるのが良い。それは人間の脳だ。

我々の脳は左脳と右脳に分かれている。MRIや脳スキャニング技術のお陰で現在判っている脳の仕組みは、まず大変複雑な臓器であること。次に左右両方の脳を同時に使うこと。そしてとても繊細で効率が良いこと。さらにここでは分業が徹底していて、各部の役割が違うことである。左脳は、論理思考、逐次や順次処理、または物事の分析を主に行う。

これに対して右脳は、並列的処理、個々の事実よりそれらの関連性、分析より総合的な判断が得意だ。

— 「右脳逆転の裏には」

これらの脳の機能を見れば、先進国における仕事やビジネスが今どう変化しているか見当がつく。と言うのは、左脳が司る論理思考、逐次や順次処理、分析能力など1つずつ処理しながら解を求めていく能力がこれまでは一番重要だった。つまり、表計算能力、エンジニアや会計士、弁護士などが持つ能力だ。確かに今日でも、これらは重要だが、もはやそれらだけでは十分でない。即ち、重要だが、不十分なのだ。今求められているのは、右脳が得意な違うタイプの能力である。

芸術性、共感性、創造性が高く、全体を見る能力が絶対的に必要だ。

左脳右脳の形勢が逆転したとも言える。人によってはこんなことは認めがたく、あくまでも理想論で、もし実現すれば有益なことだと言うだろう。しかし、そんな議論は不毛である。すでに起きていることだからだ。この現象の裏付は、世界中にあるがここでは、何が一体起きているのかをかなり要約した形で説明していきたい。

先にも述べたように形勢は逆転している。左脳の能力は、必要だが十分ではなく、右脳の能力の方が重要になってきている形勢は逆転したのだ。その理由は3つある? アジア、自動化、そして豊かさである。アジアから話を始めよう。

2008年04月23日
 ■  第65回 ダニエル・ピンク氏 FコミュPodcast
インドのプログラマーは、欧米と同じ仕事を4分の1の報酬でやってしまう。インドの人口15%が中流になったと仮定したら、1億5千万人、日本の総人口を上回る。これは何を意味するか?
ホワイトカラーが従事する左脳型ルーチンワークの大部分が、今ではアジアの国々で驚くほど安いコストで行われている現状を前に…。をお送りします。

■ 第2話 アジアを取り巻く実情

— 「インドのパワー」
— 「ホワイトカラーも失業?」
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— 「インドのパワー」

アジアと言っても、日本の事ではない。中国、マレーシア、フィリピン、特にインドのことを指している。正確には、ホワイトカラー職の流出だ。思うに、最近のインドなどへの移転は多少誇張されて伝えられている。数字的には外注はそれほど大きくない。しかし長期的な影響は意外と大きい。その理由は簡単だ。

手始めにインド人のコンピュータプログラマーを例にとってみよう。インドには長く居たので話しやすい。インド人のプログラマーは平均で年に1万5、6千ドルは稼ぐ。米国なら6万ドル相当の仕事である。同じ仕事を彼らは4分の1でやるここにインドの特殊な優位性がある。コンピュータ科学や工学などの学位を有する労働者なら尚更のことである。予想以上に影響が出てくる理由を数字で示してみよう。

15%のインド人が中流になったらその人数は1億5千万人に達する。つまり、インドの人口は10億だから85%が取り残されたとしても1億5千万が世界労働市場に進出する。何と、これは日本の総人口を上回る。85%が中流まで行けなくてもである。米国の場合、日本よりも国土が広く経済規模も大きい。その労働人口は先月1億4600万人。繰り返しになるが、インド人の85%が中流になれずに農村暮らしをしていても優秀で意欲的な中流インド人の数は世界第2の経済大国である日本の人口や世界一の経済大国の就労者数を凌駕する。2つ目の注目点は、2010年迄にインドが米国を抜いて世界一の英語圏になること。そして英語は、その良し悪しは別にしてグローバル経済の標準言語である。さらに、北米や日本との通信コストは殆ど無料で、ほんの数セントである。以上のことから次のことが言える。

完璧な英語と高学歴の中流1.5億人が無料の通信網で北米や日本とつながる。これは大変なことで、影響は甚大である。

— 「ホワイトカラーも失業?」

ホワイトカラーの日常業務は、もはや「一商品」となった。「日常業務」というところが、ミソでマニュアル化できるような仕事をさす。ある種のホワイトカラー職のことで会計業務やソフト開発、法務や財務分析などの仕事のことである。手順を示して、第三者にできるならばそれらの仕事は国外に流出してしまう。海中の光ファイバー網を経由して一番安価なところに仕事は移転する。これは既に製造業で起きている。日本の強い製造業は中国やアジアに日常的な製造業務を移転している。日本で行うのは高度なものだけである。

日常的なホワイトカラー業務も同様に最も安価なところへと流出している。このことは何を意味するのか。ちょっと脳の話に立ち帰ってみると、日常業務というのは左脳が担当している。

左脳が行う仕事が移転の対象であり、日本、米国、英国、豪州、西欧の人々はこの領域で競合しているとも言える。以上がアジアを取巻く事情である。

2008年04月24日
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2008年04月26日
 ■  第66回 ダニエル・ピンク氏 FコミュPodcast
今回もスペシャルゲスト アメリカ人ジャーナリストのダニエル・ピンク氏をお迎えしています。第3話も引き続きピンク氏の著書「ハイ・コンセプト」の中からお送りします。
これからのビジネスマンを脅かす「3つの危機」-原因は「アジア・自動化・豊かさ」によって引き起こされ、その結果、「左脳主導思考の相対的な重要度が低下し、右脳主導思考の重要度がました」という。私達の生活がオートメーションやアジアといった要素に追い立てられ、豊かさによって作り替えられるとどうなるのか?と警告を発しています。

■ 第3話 「アジア・自動化・豊かさ」にみる右脳的思考

— 「ビジネスマンを脅かす自動化の波」
— 「豊かさの中で勝ち抜くには」
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— 「ビジネスマンを脅かす自動化の波」

形勢逆転の理由を思い出してみよう。アジア、自動化、そして豊かさである。

先ずは、自動化について話そう。ポイントは簡単だ。前世紀、機械が人間に取って代わった。機械の方が力仕事が得意だからだ。今世紀、ソフトウェアが脳に代わる。しかし、代替できるのは論理、逐次、順次処理の分野であり、右脳ではない。今、自動化の波に晒されているのはブルーカラーに続きホワイトカラーだ。例えば遺言書の作成等、法律上の作業ができるソフトウェアが ある。米国ではオンラインのウェブサイトを検索して離婚手続きもできる。

弁護士に掛かる10分の1の費用ですむのである。また、複雑な所得申告制度がある。普通のサラリーマンも確定申告をする。とても複雑で厄介なもので、レシートも取って置かなければならない。これは税理士にとっては、美味しい話で客からは「あとは頼む」てなことになる。しかし強力なライバルが出現した。

39ドルの「ターボタックス」というソフトを使えば、所得税申告も簡単だ。毎年2,100万人の米国人がこのターボタックスを使っている。繰り返しになるが、最初の2つの理由はアジアと自動化。

— 「豊かさの中で勝ち抜くには」

3つ目の理由は、豊かさだ——「アジア」、「自動化」、「豊かさ」

豊かさというのは、まだ歓迎できる話だ。と言うのも、先進国に驚くべき水準の中流階級があることを示しているからだ。日韓、西欧、オセアニア、北米における中流階級の物質的な豊かさは驚異的だ。今の中流の生活水準は七十、百年前の大金持ちよりも上である。現在の日本の中流階級は、百年前の富裕層よりも良い生活をしている。これはビジネスに重大な影響を与える。色々なモノを持ち、市場にもモノが溢れ、人々には途方もない数の選択肢がある。東京でもそうだが、選べる商品は多い。これだけ選択肢が多い中、売りたい物を目立たせるにはどうしたら良いのか。

最近増えてきたのが、右脳的思考——生産の裏話、デザイン、商品の意味だ。
驚くことに今は、デザイナーブランドのトイレブラシもあるのだ。これも溢れる市場での目立ち方なのだ。デザイナーものの塩入れをはじめ様々なデザイナー商品が生まれた。日本ではさほどではないが、米国の八百屋に行けば、生産者の話が読める。お餅には、もち米農家の話が書いてある。この間の夜も話したが、ある八百屋では農業者の写真をポスターにしている。と言うのが、溢れる市場での目立ち方だ。商品デザインには「機能」だけでなく「意味合い」も持たせるのだ。人が人のために作るものは全て「機能」と「意味合い」の組み合わせだ。つまり、機能以外の特徴が必要なのだ。我々は今、大変な経済社会にいる。誰でも良い物を買うことができるからだ。

どんな商品やサービスでも、安くて品質の良いものを入手できるのだ。従って、商品を際立たせるには、斬新で良い品を創るか、機能を増やすしかない。トイレブラシは、汚れ落ちだけでなく、見た目も良くなければならないのだ。これが豊かさのもたらすものなのだ。

2008年04月29日
 ■  第67回 ダニエル・ピンク氏 FコミュPodcast
今回もスペシャルゲスト アメリカ人ジャーナリストのダニエル・ピンク氏をお迎えしています。第4話はピンク氏の著書「ハイ・コンセプト」のお話では最終話となります。
「情報化社会」から「コンセプチュアル社会」、つまり、既成概念にとらわれずに新しい視点からも物事をとらえ、新しい意味づけを与えていくという流れ「第四の波」の時代にあって、これからの成功者と脱落者を分ける3つの「自問」の後、我々が身につけていきたいハイ・コンセプトでハイタッチな「6つのセンス」が新しい時代に不可欠な感性である。これらは誰でも身につけることができる資質であると語っています

■ 第4話 「6つの感性」に成功の鍵が…

— 求められる能力の変化
— 「6つの感性」とは
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— 「ビジネスマンを脅かす自動化の波」

さて、これまで論じてきたことを考え合わせてみよう。自分自身のキャリアを考えてみると3つの問いかけが浮かんでくる。

この仕事を他の国の誰かがもっと安くできるだろうか? コンピュータならもっと速くこなせるだろうか? 自分の仕事は、この豊かな時代の中で本当に需要があるだろうか?

海外の方が安くできるのならその仕事は流出する。コンピュータの方が速ければ機械に取って代わられる。機能性だけで意味合いのない商品は売れない。これらアウトソーシング、自動化、意味合いを考えたとき、ホワイトカラーが行なう日常業務は非常に不利な立場にある。

これまで軽視してきた能力——特に米国においてであるが、共感性・デザイン・遊び心・創造力・全体像を描く力・相関関係が分かる力。これらがビジネスで重要になってきた。とまあ、これが「ハイコンセプト」で論じられている内容である。

— 「6つの感性」とは

つまり、必要な「6つの感性」とは「デザイン」「物語」「調和」「共感」「遊び心」「生きがい」である。ひとつずつ手短に説明しよう。「デザイン」は、既に少し触れたが、必要不可欠なビジネス資質となった。デザインのことがわからなければ、今日のビジネスでは生き残れない。

「物語」が重要なのは、今我々が選択肢の多い世界にいるからである。情報の海から何かを知るのは簡単だ。ゆえに、今大事なことは情報をどのように探すかではなく、いかに情報を整理し、感情を込めて提供できるかということだ。「物語」と言うのはそれを可能にする。マーケティングにもリーダーシップにもナレッジ・マネジメントにも入り込み、その重要性はさらに高まっている。

「調和」とは、全体像を見る力で、点と点をつなぎ、異なるもの同士を合体して新しいものを生み出す極めて重要な能力である。四つ目の「共感」は、相手の立場、相手の目線で考える能力である。人間が元々持っている能力だが、アウトソーシングや自動化しにくい点でその重要性を増している。「共感」は、販売現場、リーダーシップそして多くの医療専門職に浸透してきた。真面目さの中にも遊びの要素を取り入れ、職場に楽しさ、ユーモア、笑いが戻る。最後は、モノの蓄積でなく「生きがい」。先進経済では、生きがいの追求は重要。

人は仕事に生きがいを見出そうとする。やりがい、目的、意義を提供することで企業はもっと有能な人材を確保できる。以上の6つの能力について最後に一言いっておきたい。

次のような言い訳をする人が時々いる。
「オレは全くデザインは苦手だ。そんなのは絶対に覚えられない。これらの能力は先天性のものだ。」このような考えは間違っている。これらは元来全ての人間にある資質だ。何が起こったかと言うと、この情報社会、即ち「左脳の時代」でこれらの能力は埋もれてしまったのだ。あまり使うことの無い筋肉のように、一時的に萎縮してしまったのだと思う。だから、訓練で回復さえしていけば、これらの感性があることに気づき、人は多くの能力を育成できるのである。本書「ハイ・コンセプト」には、このためのヒントや演習が7, 80ある。仕事に必要な技術や能力が今の時代、どう変化しているかを論じるだけでなく、希望と実践ツールを提供する本である。以上が「全く新たな考え方」である。